SENA30kモック
※2017/12/23 30kを2台購入しました。
 この記事の内容は一通り書き換えていますが、詳細なレビューはしばしお待ちください。


SENA待望の新型 30k
革新的なメッシュネットワークを採用し、インカム業界を大きく変えそうな気配があるので、とても期待している。


SENA 公式サイト 30k製品ページ

外観


SENA30k外見3
公式サイトに公開されている画像だ。
トップの画像は東京モーターサイクルショーで撮影したモック。



SENA30k外見1
後方の突起がBluetoothアンテナ、前方のアンテナがメッシュネットワーク用になっている。
SENA特有のジョグダイヤルは継承されているので、操作感は従来製品同等のようだ。



SENA30k外見2
クレードルは20S互換。
10S、SMH10等のミドル以下の製品と、ハイエンド(20Sと30k)で分かれているようだ。
僕としてはどっちかに統一したほうが嬉しいのだけど。
主な違いはドッキング方法と端子の位置、下部にあるボタンの有無となっている。
下部のボタンは20Sではアンビエントモード(外部音を聞くモード)、30kではボイスコマンド用と記載されている。
クレードルの構造は同じだけど本体の動作が異なるということなのだろう。



29249-1-201707261406227.jpg
新しく公開された画像に上記のようなものがある。
特に説明がないが、おそらく充電用スタンドだろう。
USB接続での充電に加えて、自宅ではスタンドを使っても充電できるということだろうか。



機能紹介


基本的にBluetoothの性能はSENA 10Sとほぼ同じで、最大接続数は4台、Bluetoothインカム通話時は音楽併用不可。
ただしメッシュのみ利用している時はBluetoothチャンネルをA2DP/HFPに割り当てることができるので、音楽等の併用が可能となっている。
またメッシュとBluetoothインカムのブリッジもできる(ただしこの場合は音楽併用不可)ので、メッシュ非対応機種のユーザーとも同時通話が可能だ。

オーディオマルチタスクが改良されているので、オーディオマルチタスクの項目で解説する。


最も異なる点はBluetoothではなく新しい何かしらの無線規格を用いた、メッシュネットワークが搭載されたことだ。
日本では未発売だが、カルドシステム(イスラエル)のPackTalkで既に実装されている技術になる。
では詳細をみていこう。


現時点で判明しているスペック


SENA30kBluetooth.jpg
詳細スペックはまだ公表されていないが、Bluetoothについては20Sとほぼ同じとのこと。
それ以外でわかっている特長は以下の通り。

・30k独自のオーディオマルチタスク機能
・20分の急速充電でBluetooth5時間、メッシュ3時間 利用可能
・通話時間 Bluetooth 13時間 メッシュ 8時間
・待受時間 10日間
・Bluetooth4.1
・新通信規格メッシュネットワークの採用
・メッシュネットワークの最大接続数は16台
・通信距離 Bluetooth1.6km メッシュ2km
・FMラジオ



インカム通話と音楽等を併用するオーディオマルチタスクが進化


26236-1-20170321152920.png
公式サイトには以下の記述がある。

30Kオーディオマルチタスク技術は、Bluetooth通信と適応型メッシュネットワーク通信を同時に行います。
スマホのストリーミング音楽の再生、電話のおしゃべり、またはGPSナビの音声案内がお互いをさえぎることなく同時に聞こえてきます。
従来の割り込み型の音声優先順位に悩まされる必要はありません。全ての音源が綺麗に織り合わされ、あなたの耳元にここちよく届きます。

要約すると、
・インカム通話
・スマホの音楽(A2DP)
・電話orナビ音声(HFP)
この3つを完全同時に利用できるということのようだ。
従来製品ではHFPが割り込んできた場合に、他の通信は一旦停止してHFPを最優先にする、といったような動作。
これがHFPだからどうなって・・・と考える手間があるのだけどこの悩みを解消しているということと推測する。

似た機能としては、MidLand BT NEXT ProがA2DP&HFPの2台完全同時利用が可能なのだが、あくまでインカム通話をしてない時に2台完全同時が可能なのであって、インカム通話と併用すると1台になってしまう。

この点を考慮すると、SENA 30kは A2DPの2台完全同時ではないけど、インカム通話&A2DP&HFPの3つの完全同時というのは非常に使い勝手が良いのではないかと思う。



新規格メッシュネットワークの採用


Sena30kメッシュネットワーク
現行のインカムは1台のインカムから2台接続が可能で、これを数珠繋ぎにして台数を増やすチェーン接続方式をとっていた。
しかしこのチェーン接続には欠点があり、接続できる台数の限界が低く(通常4台 20Sで8台)、間で途切れると分断されるし、再接続も手間がかかる事が多い。

それを解決する目的で登場したのがメッシュネットワーク。
ネットワークの世界では昔からある考え方で、複数の接続をしておいて特定の経路のみを利用し、切断された場合は別経路から通信を行う、STP(スパイニングツリープロトコル)に似た動作をしていると思われる。
一度グループで接続をすれば走る順番や脱落を気にすることなく、自動で最適な経路が選択されて通話が可能と理解しておけばよい。

尚、接続最大数は16台。
メッシュの通信距離は最大2kmとかなり長距離で通信が可能になっている。


接続する通信規格はBleutoothではなく、何かしらの通信規格を応用して開発されており、公式ではないが海外のバイク用品通販サイト RevZilla には、

2.4 GHz Adaptive Mesh-Networking Technology

と記載がある。
2.4GHzというと無線LAN(802.11g、11n)やBluetoothと同じで、現在最も利用されている周波数だ。
個人的には干渉を少なくするために別の周波数のほうが良さそうだけど、許可やら最適化やらで2.4GHzになったのだろうか。




メッシュネットワークについて


メッシュネットワークは大人数での会話が可能なのだが、同時に多数の人が話すと混乱するということで、同時にマイクが有効化できるのは6台までとなっている。
しゃべるのをやめると数秒でマイクがオフになり、その分他の人がマイクをオンになれるという制御がかかっている。

それでは各モードについて確認する。

■メッシュネットワーク パブリックモード
人数無制限でペアリングも不要で通話ができるモードのようだ。
おそらく普通の無線機と同じで、チャンネルをあわせればその人を中心に電波の届く範囲の人に声が届くというものではないかと推測。
パブリックという名前からしてセキュリティーは無いと思っておいたほうが良いさそう。

チャンネルが多数(10以上)用意されていれば、混信は避けられるだろうし多少なりともセキュリティー性は向上するのだが、1チャンネルしかなくパブリックモードを起動した周囲の全ての30kと通話ができてしまう。

セキュリティーの問題はあるが、イベント等の大人数で人の出入りが激しい場合は便利だろう。



■メッシュネットワーク プライベートモード
従来のBluetoothと同じようにペアリングをして特定のメンバー内だけで会話するモード。
最大接続台数は16台だが、会話を聞くだけのゲストであれば無制限にメッシュグループに参加可能となっている。



■30k以外のインカムはメッシュネットワークに参加できるのか?
東京モーターサイクルショーの時点では不可だったが、どうやら可能になったようだ。
例えば30kを5台でメッシュネットワークで接続し、そこに20Sが3台あったとするなら、30kのうちの1台に20SをBluetoothで接続してブリッジができる。
30kと20Sは極力ペアで近づいて走るようにすれば、あとは30kのメッシュで自動的にグループを構成してくれるので、メッシュ非対応機種が混じってもかなり便利だ。

Bluetoothでブリッジできる台数については詳細が公表されてないが、メッシュとBluetoothはそれぞれチップセットもアンテナも独立しているので、Bluetoothで4台接続までは可能ではないかと推測する。
ただ、Bluetoothで多段ブリッジをさせるより、30kからBluetoothで1台接続したほうが安定性は高そうに思われるので、30k 1台につき1台ずつBluetoothインカムを接続したほうが良さそうだ。

逆にBluetoothインカムより30kの台数が少ない場合は、30kからチェーン接続でBluetoothインカムを複数台つなげるような形になるだろう。


メッシュネットワークは最大16台、そこからさらにBluetoothインカムを最低1台は接続できるので、理論上は32台は少なくとも可能ということになりそうだ。

1点心配なのは、メッシュとBluetoothの両方を利用した場合、バッテリーの消耗が非常に激しいことになりそうだということ。
メッシュのみでも公式で8時間となっているので、併用すると半日程度で充電が必要になるかもしれない。



■メッシュネットワーク対応の他社製品と接続できるのか?
現状はPackTalkしか発売されてないし、SENA 30k次第なところだろうけど、これまでの経緯を考えるとできないと思う。(未確認)
そのうち、ユニバーサルインターコム相当の機能が搭載されることになれば良いのだけど。



■メッシュネットワーク利用時にスマホ等の音楽を併用できるのか?
これは先にも書いたけど可能だ。
Bluetooth接続と同じようにオーディオマルチタスク機能を利用できる。
ただしBluetoothは1基しか搭載してないため、Bluetoothインカム通話を開始すると、音楽の併用は不可となる。


価格は4万円前後で20Sの上位という位置づけ


シングルで税込み4万2552円、デュアルパックで税込み8万1864円と、特殊製品を除けば過去最高額となる。
2017年12月23日、ライコランド等のSENA認定のプロショップで先行発売となり、他の販売店へは2018年2月からとなるとのこと。

SENAは2010年発売のSMH10もラインナップに残していて選択肢が多くて良いと思うが、旧製品の値下がりは限定的で、新製品はどんどん高級化している。
オーディオマルチタスクを省いたりBluetoothブリッジができなくなってもいいから、メッシュネットワークに参加できるミドル、ローエンドが登場することに期待。


個人的な話だけど、メッシュネットワークを試すには4台以上はないと実力を発揮できないことを考えると、全部自分で購入するのは無理。
もはや一人で揃えて試せるレベルではないので、今後どうするか悩んでいる。



このエントリーをはてなブックマークに追加