ヘルメットに内蔵できる小型、軽量インカム SENA 3Sのレビュー

SENA

ヘルメットに内蔵させられる珍しいタイプのSENA 3Sを入手したのでレビューする。

 

SENA 3Sの概要

操作ボタン部分のみを外部に出してバッテリーや充電コネクター等は全てヘルメット内におさまる設計になっている。

機能的にはローエンドのSMH5よりさらに少し下で、SENAの中では最も性能が低い。

上位にはアライ、ショウエイの特定製品向けの専用設計となる10Uがあるが、ミドルクラスの性能で4.5万円前後と非常に高価。

その点3Sは汎用の設計で、概ね価格なりの性能となっていることが特徴だ。

 

尚、ジェット向けにブームタイプも用意されている。

 

 

スペック

■Bluetooth 3.0

■最大同時通話数 2

■通信距離 200m

■通話時間 8時間

■充電時間 2.5時間

■日本語音声案内

■充電 MicroUSB

■防水性能 有り

■実売価格

3S ブーム型マイク(3S-B) 1.3万円程度

3S ケーブル型マイク(3S-W) 1.5万円程度

 

注意点はユニバーサルインターコムを搭載してないこと。

HFPにはなれるので対抗がユニバーサルに対応していれば問題は無いが、近年は搭載していて当たり前の状態だったので、間違えないように注意しよう。

 

また、2015年発売だが20Sや10SではなくSMH10と同じ世代となる。

機能や音質など、全体的にSMH10に近いものと考えれば良い。

SENA ケーブル型マイク 3S-W
セナ(Sena)

 

インカム総合記事はこちら [card url=https://bikede-go.com/blog-entry-166.html]

 

本体、付属品確認

本体

本体はいたってシンプルで、スピーカー部分にリチウムポリマーバッテリーが内蔵されており、そこからリモコン、マイク、充電コネクターが分岐している。

いずれも取り外すことはできない。

 

 

 

バッテリー

スピーカーはバッテリーが内蔵されていることもあって他の製品と比較すると厚みがあるが、取り付けに困るほどではない。

直径はやや小型の部類。

左スピーカーにステータスLEDがついており、ペアリング等の操作状態を確認することができる。

利用者本人は音声案内で操作状態を確認できるので良いが、もし他の詳しい人が操作をしてくれた場合にLEDを確認できない。

価格を考えれば十分なのだが、そう難しくないはずなのでリモコン部分にLEDを搭載してもらいたかった。

 

 

 

裏面

裏側にはバッテリーの表記がある。

 

 

 

MicroUSBポート

充電やファームアップデート等はMicroUSBのコネクターから行う。

通常このコネクターはネックパッドあたりに仕込んでおいて、必要な時だけ取り出すような運用になる。

また充電中か確認LEDもコネクター部分についている。

わざわざ取り出して確認するのは面倒だが、バッテリー残業はボタン操作でも日本語音声案内で確認できるようになっているので安心だ。

 

 

 

リモコン

リモコンは小型、薄型でヘルメットに沿うよう少し曲がっている。

ケーブルもフラットタイプなのでヘルメットのネックパッド部分に這わせやすい。

ボタンは2つで + と - のみだが、一部の操作が長押しに変わっただけで、基本的な操作感は普通のモデルと同じなので、同社製品を利用したことある人ならすんなりと操作できるだろう。

操作の詳細は別の項目で紹介する。

リモコン全体がゴムで覆われており、ボタンはやや硬い。

小さいので操作しにくいかと思ったけど、しっかり起伏がつけられているので冬グローブをしていても、快適とまでは言えないものの操作に困るようなことはない。

 

 

 

マイク

マイクはSENA 10S等とほぼ同じサイズで、小さく薄いので取り付けは容易だ。

 

 

 

付属品と取扱い説明書

付属品もシンプルで、取り付け用の両面テープとスピーカーのスペーサー、USBケーブルとなっている。

 

 

 

重量計測

重量は全インカム最軽量の50g

クレードルが無く、バッテリーが小さめではあるけどその分軽量になっている。

実際に手に持って比べるとその軽さがよくわかる。

 

■SENA 3S        50g

■SB6X         111g

■SB5X         102g

■BT NEXT Pro     111g

■BT X2 Pro、X1 Pro  109g

■SENA 20S       153g

■GT2          100g

■イージートーク3    84g

 

 

SENA 10S、SB4Xとのサイズ比較

外見比較

ヘルメットの外に出るリモコン部分のみで比較した。

見ていただければわかるとおり、比較的小型なB+comよりも圧倒的に小さく薄い。

面積比でいけば1/10以下だろう。

 

 

 

厚みの比較

写真撮影時にSB4Xのベースを付け忘れていたが、厚みも断然薄くてSB4Xの4/1くらいにおさまっている。

 

 

操作、機能紹介

操作方法

本製品はスマホアプリには対応しておらず、本体操作のみとなる。

概ね他のSENA製品と同じだが、一部操作が長押しに集約されているので、その部分だけ覚えればSENAに慣れた人なら簡単だろう。

 

 

基本操作

■電源オン

+ と - を同時に1秒長押し

 

■電源オフ

+ と - を同時に押す

 

■バッテリー残量確認

起動時 + と - を同時に3秒長押し

 

■音量調整

+ または - を押す

 

 

ペアリング操作

■インカムペアリング

- を5秒長押し(赤点滅)

対抗も同様にインカムペアリングモードにして、どちらか一方のインカムでペアリングボタンをもう一度押す

※3S以外の製品は基本的にジョグダイヤルを押しの操作

 

■スマホ等とのペアリング(チャンネル1)

+ を5秒長押し(赤青交互点滅)

スマホ等のBluetootuペアリング画面で 3S を検索しタップ(Pinコード0000)

 

■スマホ等とのペアリング(チャンネル2 HFP専用)

- を5秒長押し(赤点滅)

2秒以内に + を1秒長押し(青点滅)

スマホ等のBluetootuペアリング画面で 3S を検索しタップ(Pinコード0000)

※チャンネル2が優先されるので音楽等をチャンネル1、HFP機器をチャンネル2に登録する。

 

 

通常利用操作

■音楽の再生、停止

+ を1秒長押し

 

■音楽の早送り、巻き戻し

+ または - を2秒長押し

 

■電話をとる

コールなが鳴ったら + を押す

 

■電話応答拒否

コールが鳴ったら - を2秒長押し

 

■電話を終了する

+ を2秒長押し

 

■リダイヤル

- を3秒長押し

※一番最後にかけた番号へかけなおす

 

■Siri等の呼び出し

+ を3秒長押し

 

■インカム通話の開始、終了

- を1秒長押し

 

 

設定メニュー

■設定メニューへの入り方

+ を10秒長押し(青点灯)

+ を押して項目切り替え

- を押して決定または解除

 

■設定項目

・VOX電話設定

・音声プロンプト

※音声案内をするかしないかの設定

一部はオフにできない

・全てのペアリング削除

・工場出荷状態へ初期化

 

 

改善してほしい点

全体的な操作は比較的早く、そこそこ快適に動いてくれるが1点、難のある部分がある。

 

曲の早送り、巻き戻しが入力されず、3秒長押しモードが作動することが多いという事だ。

例えば巻き戻しをする場合 - を2秒長押しするのだが、ビープ音がならずそのまま3秒長押しとなるとリダイヤルの動作をしてしまう。

2秒長押しの巻き戻しが入力される確率は低く50%程度。

慣れれば2秒長押しが入力されなかったと判断して3秒長押しに到達する前にボタンを離して、リダイヤルにならずに済む。

しかし走行中はそこまで気が回らず、3秒長押しのリダイヤルになってしまい、焦ることが多かった。

 

確実に2秒長押し入力ができるようになってほしい。

 

 

ヘルメットへの取り付け

ショウエイ Z-7

Z7への取り付け

まずはリモコンを左下に設置する。

ネックパッドの隙間が少なく取り付けがしにくいZ-7だが、3Sのケーブルはフラットなので断線はしにくそうと判断し、ネックパッドとライナーの隙間に配線。

写真ではやや後方にケーブルを回しているが、もう少し前方を回したほうが取り付けしやすかった。

 

 

 

スピーカーを貼り付け

スピーカーは厚みがあり、直径はやや小さいもののケーブル接続部分の突起の影響ですっぽりとはおさまらない。

ただ、半分くらいは取り付け穴に入ってくれており、Z-7は比較的耳に余裕があるので、これで痛くなる人は少ないと思う。

 

 

 

USBコネクターを後頭部に収納

USBコネクターはネックパッドの後ろの隙間に押し込んだが、被ったり脱いだりする時に少し異物感があり、場合によっては痛みを感じてしまう。

もう少し設置場所を工夫すれば良いのかもしれないが、コネクターをもう少し小型化して欲しかったと思う。

 

 

 

取り付け完了

ななめから見る

マイクは口元に両面テープで貼り付けて完成。

小さなリモコン部分が左下から出ているだけなのでとてもスマート。

角度によっては着いていることに気づかないくらい小さい。

実際に被ってみると、インカムをつけてないかのように軽い。

左右のバランスが崩れることもなく、とても自然な被り心地だ。

 

 

音質および各デバイス接続確認

まだインカムと接続して実走行で通話は試してないが、一人で走行していろいろ確認した。

 

 

スマホとA2DPで接続して音楽を再生

スマホと接続して音楽を聴く

高音があまり綺麗に出ておらず、低音も出るのは出るのだけど安っぽくて音圧が足りない。

ただ最大音量は十分で、走行中も快適に音楽を聞くことができた。

20S、10Sより若干劣るがSMH10より良い、そんな立ち居地だ。

価格を考えれば及第点、悪くないという感じだ。

 

 

インカム同士の通話

1対1で接続

SENA 10Sと接続してテストした。

世代としてはやはりSMH10と同じだが、ノイズリダクションを搭載していない。

一応何かしらの制御はしているようで風切り音等を検知するとコントロールはされるのだが、3秒間隔でノイズが増減して快適ではない。

 

マイクとスピーカーの音質は平均的でこれといって特徴が無いことが特徴。

安定性もごく普通で、しばらく接続しておいたが大きなノイズや切断されそうになるような不安定さは無い。

ただ上述したとおりノイズリダクションらしき機能が動作するものの一定ではなく、頻繁にノイズが上下する点が気になるところ。

使っている本人はわからないが、聞いている相手は少しわずらわしく感じるかもしれない。

 

 

SENA 3Sの評価 意外と良い

値段からかなりちゃちいものを想像していたが、意外にもスピーカーは悪くなくスマートに取り付けられて軽い点がとても気に入った。

 

通話距離はスペック上200mなので、実際の市街地では50m~100m程度になると考えられる。

それでも2台で走行しながらあまり離れないようにすれば十分活用できるし、ノイズが増えたら後ろを気にするという使い方をすれば良いだろう。

ノイズリダクションが搭載されていないし通話距離が低性能なので、インカム通話は実用最低限のレベルにはなってしまうが、ヘルメット内にほとんどが収まる点で需要はあると思う。

 

頻繁に音楽の巻き戻しをしたつもりがリダイヤルと認識されてしまう点は、ファームアップで修正してもらいたい。

またできればユニバーサルも搭載してもらいたい。

不満はあるが安価、スマート、軽いという3点でとても良い製品だ。

SENA 3Sはとても気に入っており、近場用ヘルメットに付けっぱなしで普段使いで利用中。

結構おすすめ!

 

10点満点評価

音楽の音質・・・・・・・・・4

インカム通話音質・・・・・・4

通話距離・・・・・・・・・・未検証

安定性・・・・・・・・・・・未検証

他社接続柔軟性・・・・・・・無し

操作性・・・・・・・・・・・3

機能/拡張性・・・・・・・・2

取り付けやすさ・・・・・・・7

重さ・・・・・・・・・・・・10

コストパフォーマンス・・・・4

おすすめ度・・・・・・・6!

SENA ケーブル型マイク 3S-W
セナ(Sena)

 

インカムの総合記事はこちらです。主要製品を比較、レビューしています。 [card url=https://bikede-go.com/blog-entry-166.html]

コメント

  1. 774rr より:

    セナから3s plusが出ますよ

  2. 774rr より:

    3sにノイズリダクションの機能は無いと思うのですが・・・

    • まさきち より:

      うっかりしていました。3Sはノイズリダクション無しですね。変な動きをする低性能なノイズリダクションだなと思っていましたが、ノイズリダクションっぽい何かしらの低性能な制御として記載しました。

  3. […] ヘルメットに内蔵できる小型、軽量インカム SENA 3Sのレビュー […]

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