様々な海外製ドライブレコーダーを扱うLISWAY社から前後同時撮影かつ全国のLED信号機に対応するLS-MXを購入したのでレビューする。
LS-MXの概要
・本体とカメラが分離
・2カメラで前後同時撮影
・ドラレコモード有り
・カメラ部分は高い防水性能(本体は非防水)
・FullHD 27.5fpsで撮影可(実測28fps)
・東日本、西日本のLED信号機対応
・Gセンサーによる動画ロック機能有り
・ファイル間ギャップ対策済み
・GPS搭載
・WiFi対応 スマホから操作可
・実売価格 2.7万円程度
製造元は不明だが説明書が簡体字なので中国製で間違いないだろう。1.5万円程度が主流の中国製にしては高いが、東西LED信号機に対応し、Gセンサー、GPS、wifi、ファイルの切り替えで撮影できていない時間ができるファイル間ギャップも対策されており、ドラレコの全機能が搭載していることを考えると安いほうだ。
動作の安定性と画質がどれくらいになるか期待してレビューする。
本体、付属品確認
付属品は有線リモコン、前後カメラ、マウント、GPSレシーバー、12v電源ケーブル。マウントはGoProと同じなので付属品だけで取り付けできない場合は適当なものを見繕えば取り付け可能だ。
カメラは前後の区別はなくどちらも同じ。マウントの取り付けは簡単で、ボルトを緩めるとカメラが回転するのでどんな角度で取り付けても調整できるようになっている。単純な仕組みだけどよく考えられている。
ケーブル長は3m近くもある上に太いのでかなり嵩張る。1.5mもあれば十分なのに3mもあると収納場所に困ってしまう。Dio110はシート下をほとんど使っていないのでケーブルを全てつっこんだが、収納場所の少ないバイクの場合は少し考えなければならない。
また、カメラから直接3mのケーブルが出ているため、もしカメラが故障した場合は配線ごと交換しなければならない。本体⇔ケーブル+カメラ という感じだ。
AKY-868Gのように 本体⇔ケーブル⇔カメラ となっているとメンテナンスが楽で良かった。
吸盤式の本体用マウントも用意されているが、そもそも本体は防水ではないし、短時間ならともかく屋外で常時付けっぱなしにするドライブレコーダー用途に吸盤式マウントは使えない。車なら使えるけど、それにしてはケーブルが短いのでいったい何の目的で付属しているのかわからない。
電源ケーブルは12vからとるもので、5v 2A出力となっている。
コネクターを見る限り上記画像のAKY-868Gと同じなので試しにテスト用USBケーブルを使ってみたところ正常に動作することを確認した。確実ではないがDV188やAKY-868GのUSBケーブルがそのまま使えるので、12v電源を取るのが面倒であれば別途USBケーブルを用意してもいいかもしれない。
取り付け前に動作確認ができるし、5v2AならUSBで供給可能なので標準で付属しておいてもらえると良かったと思う。
リモコンは動作状況を目視できるLEDと、イベント時にロックをかけたり静止画を撮影するボタン、マイクがついている。防水(IP65)なので取り付け場所はどこでも問題ないだろう。
GPSも防水(IP65)仕様。GPSを取り付けておくと走行速度、位置情報を残すことができ、さらに時間を自動で同期してくれるのでとても便利だ。
起動画面は2013年頃にSJCAM SJ4000が登場した頃と同じもの。この画面と起動音は懐かしい。本体左側に操作ボタン、右側にディスプレイの配置となっている。
本体の操作 ファーム REGULAR_0913_001
MENUボタンを押すと各種設定ができる。懐かしい感じの間違った日本語がところどころあるが、理解できる範囲なので問題はない。左側面に電源ボタンとMicroSDスロット、右側面にGPS接続ポートがある。
RECボタンを押すと録画開始、終了
録画中に押すと静止画撮影(リモコンでも可)
MODEボタンを押すと動画モード、静止画モード、再生モードを切り替えられる。
各種設定
■解像度
FHD 27.5fps
HD 60fps
HD 27.5fps
WVXGA 27.5fps
VGA 27.5fps
■ループ録画
オフ、1分、2分、3分、5分、10分
■EV露出
■録画な音声
オン、オフ
■日付表示
オン、オフ
動画内に日時を表示させる
■重力センシング
オフ、低い、ミディアム、高い
Gセンサーの感度設定のこと
センサーは本体内蔵
■WIFI
オン、オフ
■時刻設定
基本的にGPSで自動調整されるため設定不要
■オートパワーOFF
オフ、1分、2分、3分、5分、10分
■電子音
オン、オフ
操作時の電子音
起動音は消すことができない
■言語
■タイムゾーン
日本の場合はUTC+9を指定しておくこと
■明滅の頻度
50Hz、60Hz
60Hzの地域の場合60Hzを選択しておくと60fpsで撮影した時にフレームレートが調整?されて信号が消える時間が少しだけ短くなるらしい。
ただし27.5fpsを選択できるのでほとんど意味はない。
■スクリーンセーバー
オフ、1分、2分、3分、5分
■フォーマット
64GB以上でも本体でフォーマットするとFAT32になり利用可能になる
■デフォルト設定
■バージョン
取り付け
Dio110に取り付けた。
カメラケーブルが長いことを除けばAKY-868Gとほぼ同じだ。
本体はシート下に設置、というかAKY868Gと一緒に放り込んだだけの状態。カメラケーブルがクッションになってしまうほど余ってしまっている。電源はAKY868Gに付属していたテスト用USBケーブルを使用し、シガーソケットのUSBポート(5v 2.1A出力)に接続した。
一通りテストして動作に問題は無さそうだったのでこの状態で実運用に入る。まだ20回程度しか試していないが安定して稼動している。
カメラはフロントカウルに両面テープとビス止めで設置。左がNeckerV1 Plus、中央がLS-MX、右がAKY-886G
NeckerV1 Plusは本体が大きく重いので取り付けの調整は手間がかかったが、LS-MXはカメラが小型軽量なので取り付けは楽だ。付属の両面テープは3M社のきちんとしたものでビス止めしなくても大丈夫そうだけど、カウルに穴をあけることに抵抗が無いのでビスを使用した。
NeckerV1 Plusが右を向いているのは、死角を減らすためにしているものなので気にしないでいただきたい。
後ろはボックスのステーに付属の両面テープで貼り付け。左がLS-MX、右がAKY-868G
両面テープが強力でカメラも軽量なので両面テープのみでなんとかなりそう。ただずっと放置すると怖いので時々剥がれかかっていないかチェックはしたほうが良いだろう。
リモコンはハンドル付近に両面テープで貼り付け。カメラと同じIP67の防水仕様。LEDで撮影しているか否かを判断可能なので、どこでも良いから見えやすいところに設置しよう。
基本的にドラレコは付けっぱなしの放置状態で運用するので、LEDで動作しているかくらいは確認しやすいよう場所を考えて設置することをおすすめする。
実際の走行動画で確認 ファーム REGULAR_0913_001
画像ではGPSの受信ができていないため、位置情報や速度が表示されていないが、正常に受信できていれば時間の右側に表示される。AKY-868Gと同じシート下にGPSアンテナを設置しているのだがAKY-868Gがだいたい受信できているのに対しLS-MXは全く受信できていないので少し感度が低いが、遮るものがない場所に設置すればきちんと受信可能だ。
以下の動画は別の機会に多数の機種で撮影したものになるので参照してほしい。
注意点1 AKY-968Gの音割れ、LT-300Wフロントカメラの振動、全機種のリアカメラの振動は設置場所の問題です。振動の少ないシーンでで比較してください。
注意点2 youtubeの仕様で圧縮されているので画質が低下しています。特にP6FとM2F Proはブロックノイズが大幅に増えています。
昼の画質は良くもなく悪くもなく
画角は狭く、水平90度くらいだろうか。一般的なウェアラブルカメラはもちろんAKY-868Gよりも狭い。ドラレコとしてはもう少し広角であるほうが良いのだが、ぎりぎり許容範囲か。
AKY-868Gと比べて走行中の画質が良い。AKY-868Gはビットレートが7Mbpsとかなり低かったのに比べると12Mbpsあるので、走行中でも画質の低下が少なく十分。ナンバー読み取り性能も比例するように良く合格点だ。
ただし、明暗差を補正するWDRが弱いのか逆光になると黒つぶれが発生しやすい。標識を見ればわかるとおり、LS-MXは何の標識か読み取ることもできないくらいに黒つぶれしているので、逆光時の視認性はいまひとつだ。
また夜間撮影時に特に目立つのだが、シャープネスが効きすぎているのがギラツキがかなりある。特に停止した時のアスファルトはかなりおかしな状態になってしまう。
夜の画質はそこそこ良い
夜間は全体的に明るく撮影できており、Git1ほどではないにしてもかなり良い部類。逆光には相変わらず弱く、対向車のライトがまぶしい場合は黒つぶれ、白とびしやすい点は昼と変わらない。この画像でいうと止まれの標識にヘッドライトが反射して、白とびしている状態のことを示す。
昼間の説明にも書いたとおり、ギラつきの多いシーン。アスファルトの凹凸によってできた影が異様に目立つ。その他も全体的にシャープネスが強すぎるような状態だ。
ドラレコとして考えた場合はこれが欠点になることはあまり無いが、もう少しマイルドでも良いのにとは思う。
その他の機能、動作安定性
GPSは受信感度が弱めではあるが、正しく設置すれば特に問題はない程度。動画ファイルの切り替わりで撮影できていない時間が発生するファイル間ギャップについてもちゃんと対策されていることを確認した。前後のファイルで0.1秒程度かぶるように録画データが記録されているので、心配は無用だ。今後、長期間運用してまた稼働率について追記するのでしばしお待ちを。
1点残念なのは、イグニッションをoffにすると1秒程度で録画を終了して電源が落ちてしまうことだ。電源連動時にoffになった後、数秒間録画を継続してくれる機能があると良いのだが、おそらく本体にバッテリーを内蔵しておらず、ファイルを書き込む時間を稼ぐためのスーパーキャパシタが内蔵されているのだろう。
バッテリー劣化の問題が顕在化してきているので、耐久性を上げるためにスーパーキャパシタを採用したのだと思う。
動画のプロパティ
動画はmp4で記録される。ビットレートは先にも書いたとおり、11.9Mbpsと必要最低限は確保されているので走行中の画質低下も許容できる範囲。フレームレートは28fpsで理想に近い値となっている。
後日動画でアップするが、東日本の50Hz(25fps、50fps)のLED信号機は1秒間に数回高速で点滅するような感じで、これなら瞬時の撮影でも信号の色は判別できるだろう。
windowsアプリで走行記録を確認
DrivingRecorderPlayerというアプリが用意されている。起動して動画ファイルを放り込むと動画を再生しながらGPS情報を閲覧できる。夜間撮影だったので真っ暗で何も見えないが、左側には動画が表示される。
本来であれば右側にgooglemapが表示されるはずだが、全く表示されない。このPCが原因の可能性はあるがいろいろ試して改善しなかったので、とりあえずこんなものという感じで認識しておいてほしい。
スマホアプリで本体を操作
AndroidとiOSにLuckyCamというアプリが用意されている。本体でwifiを起動してスマホの操作でwifiに接続。アプリを起動すればカメラ画像を確認したり撮影開始、停止などの操作や、設定変更、動画確認ができる。
ただし、動画は転送速度の問題かデータ転送が追いついておらず頻繁に停止する。本体に大きなディスプレイがあるので本体で確認したほうが良いだろう。wifiは必ず毎回手動で本体を操作して起動しないといけないので、カメラの角度確認に使うくらいしか用途がなさそうだ。
総合評価
ナンバー読み取り性能が高く、動作がとても安定している。画質も難点はあるもののウェアラブルカメラと比べても平均レベル。さらにGPS、Gセンサー、wifiといった主だった機能は全て備えており、ドラレコとしての性能はとても高い。
ただ画角の狭さは残念。ウェアラブルカメラやドラレコの中では断トツに狭い。ケーブルが長すぎるのと延長ケーブル方式ではないこと、USBケーブルが付属しない点も惜しい。逆光に弱いことに関しては特定のシーンではナンバー読み取り性能が低下しまうが、全体から見ればあまり影響は無いので気にしなくても良いだろう。
最後はやはり価格で、1.5万円程度でAKY-868G、2万円でもっと高画質なP6F等が購入できることを考えると2.6万円は高い。安定性は良いので価格が高くても良いから手堅くいきたい人におすすめだ。
10点満点評価
昼の画質・・・・・・・・・・6
夜の画質・・・・・・・・・・6
ナンバー読み取り性能・・・・8
画角・・・・・・・・・・・・3
音質・・・・・・・・・・・・7
安定性・・・・・・・・・・・9
取り付け・・・・・・・・・・4
機能性・・・・・・・・・・・9
コストパフォーマンス・・・・3
おすすめ度・・・・・・・4!
ドライブレコーダーの総合記事はこちらです。主要製品を比較、レビューしています。 [card url=https://bikede-go.com/blog-entry-184.html]
コメント
[…] 全機能を抑えたバイク用ドライブレコーダーLISWAY LS-MXをレビュー […]