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質感の高さが魅力のSHOEI最高級ヘルメット NEOTEC2 レビュー
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SHOEIのハイエンド NEOTEC2が2018年6月販売開始となった。

システムヘルメットの稼動部分はもちろん、内装等にもコストがかかっており、最高級というにふさわしい仕上げとなっている。

前作も好評だったが海外のレビューを見ると今回もかなり評価が高い。

その点が気になり試しに購入したのでレビューをする。

 

NEOTEC2の概要

・インナーバイザーを採用

・上位製品向け素材 AIM+帽体を採用

・密閉性が向上したCNS-3シールドシステムを新採用

・曇りを防ぐPINLOCK EVO lensを標準付属

・巻き込み風を軽減する後付けチンカーテン Fを標準付属

・全ての内装を取り外し可

・顎紐は着け外ししやすいマイクロラチェット式

・スピーカー設置の窪み有り

・専用インカム SENA SRL(OP)

 

・JIS2種

・2018年6月発売

・実売価格 5.5万~7万円

 

外観チェック

正面

口元にはベンチレーションと開閉用スイッチが配置されている。

ベンチレーションのデザイン、もう少しかっこよくできなかったのだろうか。

 

 

 

口元のベンチレーションは全開と全閉のみで中間モードはなく、開けると風は全てシールド方向へ抜けて曇りを止めるようになっている。

操作部分は大きいので手で開閉はしやすい。

 

 

 

フェイスカバーの開閉スイッチは下に押すとロックが外れて、フェイスカバーをオープンすることができるような仕組み。

実際に被って試したところ開閉はすごく簡単だ。

 

 

 

フェイスカバーは2段階でロックできるようになっている。

1段目はロック具合が弱めで軽く飲食する時にちょうど良く、2段目は強くロックされるので少しくらいなら激しく動いても落ちてくる心配は無い。

フェイスカバーの開閉はスムーズで稼動部分の動きがよく、品質の高さがよくわかる。

 

 

 

頭部のベンチレーションは全開、中間、全閉の3段階で風の流入量が変わる仕組み。

こちらも操作部分が大きく開閉しやすい。

 

 

 

鼻息が上方にいかないようにするブレスガードが付属品にあるが、ブレスガードを付けておくのが普通なので忘れずに取り付けておこう。

取り付けは簡単だけど、最初から付けておいてもらいたいところだ。

 

 

最近のSHOEIの標準装備となっているエアロダイナミックスと銘打ったデザインで後方上部へ伸びており、ヘルメットのブレを抑える仕組みを導入。

フェイスカバーのエッジが少し盛り上がっているのも、接合部から回り込む風を上方へ回避させるためのもので、細部まで作りこまれているのがよくわかる。

 

 

 

黒い部分は専用インカムSRLを設置するためのスペースを埋めるプラスチックカバー。

SRLを持っていないのでわからないけど、左右対象で用意されているのでどちらにも設置できるようになっているものと思われる。

SRLを使わない場合はプラスチックカバーはつけたままにしておく。

 

 

後ろ

後頭部のベンチレーションは常時開放された状態になる。

基本的に排気側は冬場でも常時開放しておいて問題ないので、余計なギミックを追加して高くなったり重くなるより良いと思う。

 

 

底面

首周りの部分は隙間を減らして静音性をあげるためのノイズアイソレーターというパーツ。

少なくとも僕が知る限りではこの構造は初めてだ。

チンカーテンは固定式で取り外しはできない。

 

 

顎紐はワンタッチでとめられて、長さ調整も可能な小型のラチェット。

挿し込むとカチカチと段階を踏んでロックがかかるので好みの場所でとめるだけ。

ラチェット部分での調整には限界があるので、もっと短くしたり長くする場合は顎紐の長さで調整するようになっている。

 

 

 

外す時は赤のツメを引き上げるとするりと外れる仕組み。

一般的にラチェットは着脱が簡単だけど、首に当たって痛いという反応が多いが、NEOTEC2は顎紐カバーとラチェットを覆うゴム、ノイズアイソレーターのおかげでラチェットが直接首に当たらないようになっている。

 

 

内装

頭部、チーク、顎紐カバーの3つが取り外し可能。

画像以外にはイヤーパッドも外せるようになっている。

 

 

 

外すとライナー部分に風を通すための通気口とが設けられており、走行すると頭部を風が抜けて換気してくれるようになっている。

 

 

 

チーク部分には専用インカム SRLを設置するための溝が用意されている。

前方への溝はブームマイクをはめ込み、口元にマイクが飛び出すような設置方法だ。

ただ、残念ながら一般的なインカムはこの溝にブームマイクを設置することは難しい。

 

 

 

シールドシステムは高級感がすごい

前作はCNS-1、今回はCNS-3シールドシステムを新たに導入した。

CNSシリーズはシステムヘルメット専用のようで、普通のフルフェイスで採用されているCWSシリーズとは別物なので要注意。

 

シールドのエッジ部分が加工されて丸みを帯びているのは従来と同じだが、シールドに沿うように流線型に成形されているのはCNS-3からになる。

細部にまで拘った作りで高級感を感じられる部分のひとつだ。

SHOEI全般にいえることだが全周にわたってゴム部分とシールドが接触しているので密閉性が高く、隙間風や風切り音が少なく静かで快適。

シールド、インナーバイザーともに成型が良くゆがみが少ないので視界はとても良い。

景色が綺麗に見えるというのはとても重要なことだ。

 

 

 

インナーバイザーの色は一般的なグレー。

SHOEIのスモークシールドは黄色がかかっているのがデフォルトなので、NEOTEC2も黄色っぽいかと思っていたが純粋なグレーとなっている。

黄色っぽくすると目が疲れにくくなるのでツーリングに適しているのだが、景色が黄色がかかると夕方のような感じとなってしまう。

個人的にはこの黄色がいやでSHOEIのヘルメットをツーリング時にはあまり使わないが、この色なら景色も鮮やかに見れて良いだろう。

 

 

 

シールドの着脱手順

シールドを全開にして、赤○部分のレバーを強く下げるとAとBのフックが外れるので、次にシールドを下に引っ張ってCが外れてシールドが取り外せるという仕組み。

レバーが小さく操作しにくいのと、Aを外してもBが外れない時が多く意外と手間がかかる。

外しにくいというほどではないけど、フルフェイス用のCWR-1に比べると外すのは面倒だ。

 

 

 

取り付けは3箇所のツメをあてがって押し込むだけで取り付けが完了する。

 

 

重量はLサイズで実測1688g

装着しているのはブレスガードのみで、ピンロックレンズはつけていない。

重い部類だけど、アライのバイザー付きフルフェイスが1630g程度なので、わずか60g追加しただけでシステムヘルメットになるというのは驚異的に軽いと考えて良い。

OGKのKAZAMIはMサイズで1800gオーバーだ。

 

なお、SHOEI公式発表ではNEOTEC2のLサイズの平均は1725gとなっているので、購入した個体が軽めだったということになるが、1725gでもシステムヘルメットとしては軽い。

 

 

 

被り心地はすばらしい

購入したのはLサイズ。

RYDやZ-7とほぼ同じサイズ感で選んで大丈夫だろう。

重いのは重いのだけど、被り心地はさすが最高級だけあって抜群に良い。

インナーバイザーやフェイスカバーの開閉はメガネをかけていて干渉することはなく

を開ける時も特に影響はないので、メガネユーザーも安心して良い。

インナーバイザーの動作はとてもスムーズで、下ろしきった時にもガチャン!と音がせず、スッとやわらかく止まる。

 

 

 

ただ、システムヘルメットの宿命でチークがやや浅いので頬は包み込む感じが少ない。

フェイスカバーを閉めた状態ならチーク部分の強度は十分だが、開けるとチーク部分の強度が不足して、やや浅めなのも相まってホールド感が大幅に低下してしまう。

一般的なジェットと同じくらいのホールド感だが重量があるし、フェイスカバー部分の重みでバランスが悪いので、開けたままの走行は危険だ。

メーカーも走行時はフェイスカバーは閉じるよう注意喚起している理由がよくわかる。

 

 

 

フェイスカバーは1段階目で軽いロック状態で飲食程度なら大丈夫なくらいとなり、2段目(全開)にすると強めのロック状態となるので荷物の積み下ろしなどで役に立つ。

 

 

 

ボトムのノイズアイソレーターが首周りから顎紐にかけて優しく包み込む感じで、たったこれだけでここまで高級感を感じられるようになるのか、と驚いた。

ラチェットも直接首に金具が当たらないので、Dリングと大差の無い付け心地でとても快適だ。

これくらい保護してくれればラチェットに違和感を持つ人がほとんどいなくなると思うので、全製品にこれくらいの保護機能を持たせてもらいたい。

 

 

インカムの取り付け

NEOTEC2にはSENAから専用の SRL が販売されているが、購入していないのでSRL以外で取り付けを確認する。

そしてこれが問題で、SRL取り付けスペースにはプラスチック素材のカバーが取り付けられており、堀のあるデザインで面積も小さいため両面テープやマジックテープでは安定性にかけてしまうので、クリップでの取り付けを余儀なくされてしまう。

 

なお、専用品のSRLを取り付けるとこのように一体化してくれる。

 

B+com SB6Xの取り付け

クリップで取り付けたが、カバーに厚みがあるためクリップの幅を超えてしまっており、インカムの上部が浮いてしまう。

頑丈にくっついてはいるので落ちることは無いし操作性にも問題は無いが、スマートさにかける。

 

 

 

マイクはブーム式でも良いのだけどフェイスカバーをあけた時に邪魔になるので、ワイヤーマイクをチークパッド前方へ貼り付けた。

 

 

 

直径がやや小さいSB6Xのスピーカーは綺麗に窪みにはまってくれた。

後ろ側にケーブル用のくぼみがあるが、ここまではケーブル長に余裕が無いので前からケーブルを持ってきている。

 

 

 

 

先にも書いたとおりクリップの厚みが足りないためインカム上部が浮いていることと、アンテナがインナーバイザーレバー近くになってしまうので操作時には注意が必要だ。

やはりSRLに特化した形状になっているのがあだとなってしまっている。

 

 

SENA 30kの取り付け

SHOEIにしては珍しくシェルとライナーに隙間があり、厚みのあるSENAのクリップを押し込んで設置することができた。

SENAのクリップはボルトを緩めればかなりの厚みに対応できるので、SB6Xよりはスマートに取り付けが可能だ。

スピーカーケーブルは左側が短く、シェルとライナーとチークパッドの隙間を通すと断線しそうなので仕方なくボトムを通して設置。

着脱のときにケーブルが指に引っかかることがあるので少し気を遣う必要がある。

SENAのケーブル長が短いことが原因なのでNEOTEC2が悪いというわけではないが、チークパッドに配線用の穴をあけておく等、メーカーにはインカム設置のための工夫をしてもらいたい。

 

 

 

マイクはブームを貼り付ける場所に悩んだのと、フェイスカバーをあけた時にマイクが口元にあるとせっかくの利便性が低下してしまうので、チークパッド前方にワイヤーマイクを貼り付けた。

 

 

 

スピーカーは微妙にサイズがあわず窪みにははまらないが、両面テープやマジックテープを設置する場所と考えれば良いだろう。

 

 

 

SENAはクレードルが下に伸びているので片側が浮いてしまうが、転倒するほどではないので気にしなくても良い。

問題はやはりインナーバイザーのレバーに干渉して操作性が悪いことだ。

特にSENA30k、20S、10Sは上下に大きいためアンテナ関係なくインカム本体がレバーに被ってしまう。

いくら専用のSRLがあるとは言え、いろんなインカムを取り付けたいという要望もあるだろうし、レバーの位置は考えておいてほしかった。

あと5cm斜め後ろにずらすだけでほとんどのインカムと被らないようになるはずなのに。

 

インカムについては以下の記事も参照していただきたい。

 

走行してみての評価

フェイスカバーを下ろした状態で短距離走行を繰り返して、システムヘルメットの恩恵をどれだけ受けられるかテストした。

 

 

静音性はかなり高い

正直、驚いた。

システムヘルメットのギミックで表面には凹凸があるにも関わらず、風切り音が少ない。

ノイズアイソレーターとシールドの密閉性の高さでさらに音の進入を防いでいるので、かなり静か。

さすが最高級品だ。

 

 

重いが被り心地がよくツーリングに使っても良い

さすがに1700g近くあるので長時間被ると首に疲れがたまってくるが、各部の上質さが心地よく快適にしてくれるのでツーリングで使ってもいいかな?と思わせる。

ただ、長時間被るようなシーンを考えると150gほど軽いGT-Airのほうが適しているだろう。

フェイスガードをオープンしてちょっと何かするシーンが多いならともかく、僕はヘルメットを脱いでさっぱりしたいので、フェイスガードをあけるくらいなら脱いでしまいたい。

ちょっと休憩とかちょっとコンビにとか、便利なのは便利だけどその分重くなることを考えると悩ましいところだ。

 

 

インナーバイザーは使い勝手が良い

近年のトレンドとなっているインナーバイザーの使い勝手は抜群に良い。

暗い場所に入ればすぐにバイザーをあげられるし、一度使うとこの便利さを手放すという選択肢をとるのは難しいと感じるほどだ。

バイザーの開閉は動きがスムーズかつ上質で、ついつい無駄に開閉してしまった。

 

 

ベンチレーションはそこそこ効いている

口元のベンチレーションをあけると大量の風がシールドに向かって入ってくる。

少し流入量が多すぎて目が乾いてしまうのが欠点だが、雨や寒い日で曇りやすい時は強力に曇りを取ってくれる。

できれば流入量を減らした中間の設定があれば良かったと思う。

頭部のベンチレーションは全開にしても風の流入量は普通だ。

 

 

NEOTEC2の評価 期待を裏切らない高性能、高品質ヘルメット!

SHOEIの最高級製品だけあってどのパーツも上質で優越感を得ることができる。

重いけど静かで被り心地が良いのでツーリングに使っても良いかなと思わせるくらいだ。

現在国内で販売されているシステムヘルメットはOGKとYAMAHAくらいで、どちらも安価なぶん質感は大きく劣るので、NEOTEC2に直接的なライバル製品が存在しない。

 

欠点は5.5万円と高額であること、専用設計にした影響で汎用インカムへの適合を重視しておらずレバーへの干渉やインカム本体の取り付けがしにくい、システムが故に重いという3点。

SRLはSENA 20S相当で3.6万円程度で販売されているので、スマートに設置するなら強制的に合計10万円コースになってしまう。

SRL自体は1世代前のハイエンドレベルで3.6万円はちょっと高いが許容範囲ではある。

ただスマートに取り付けるなら他に選択肢が無いというのが良くない。

もう少しインカムの取り付けについて考慮してくれれば、システムヘルメットとしての欠点以外の全てをクリアした万能製品だったのに、と思ってしまう。

 

がっつり走るならやはりもう少し軽いヘルメットを選びたいが、1時間くらい走って海辺や川原で缶コーヒーを飲んで帰ってくる、そんな使い方に適している。

NEOTEC2は近場ツーリングが多い人におすすめの最高級ヘルメットだ。

 

 

個人的 10点満点評価

軽さ・・・・・・・・・・・2

大きさ・・・・・・・・・・2

静音性・・・・・・・・・・7

涼しさ・・・・・・・・・・5

被り心地・・・・・・・・・9

空力性能・・・・・・・・・6

品質・・・・・・・・・・・10

インカムの取付やすさ・・・2

機能性・・・・・・・・・・10

ツーリング評価・・・・・7!

街乗り評価・・・・・・・9!

コストパフォーマンス・・・6

総合評価・・・・・・・・8!