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超ロングセラー SENA SMH10

2010年発売ながらBluetooth3.0を採用し、4台チェーン接続を可能にした先駆者。

2017年現在でもファームのアップデートが継続するなど、息の長い製品。

今更ながらSMH10をレビューする。

 

 

 

SENA SMH10の位置づけ

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下位には1対1接続で通信距離の短いSMH5とSMH5-FMがあり、SMH10とあわせてBluetooth3.0世代のラインナップとなる。

上位にはBluetooth4.X世代を採用し、音楽と通話の併用が可能になった20Sと、20Sから音楽と通話の併用を無くした10Sの2機種がある。

 

後継として10Sが用意され徐々に価格差もつまってきたが、まだ主力モデルとして販売されており、特に2個セットモデルは割安に設定されているので、友達とあわせて購入したり、故障に備えた予備として持っておく等すれば、非常に安価に入手可能だ。

 

 

スペック

・同時通話最大4人

・通信距離900m

・通話時間12時間

・他社インカムと接続可

・有線オーディオ入力

※インカム通話、A2DPとの併用不可

・スマホ等を2台接続可能(排他 HFP優先切り替え式)

・実売価格 2.3万円

 

 

パッケージング

SMH10はマイクの種類によって型番が異なるので注意しよう。

 

■SMH10-10 ブームマイクのみ(ジェット向け)

■SMH10-11 ケーブル付きブームマイクとケーブルマイクの2つ(フルフェイス、ジェット両方)

 

価格差がなければ汎用性の高いSMH10-11を選んでおくといいが、だいたいブームマイクのみのほうが1割くらい安くなっている。

フルフェイスでもブームマイクを取り付けることは可能なので、値段と相談して決めよう。

今回僕が購入したのは SMH10-11 で、2つのマイクがついているタイプだ。

 

また、国内正規品と並行輸入の両方が販売されており、総じて平行輸入品のほうが2割程度安いことが多い。

平行輸入品のデメリットは国内SENAのサイトでユーザー登録ができないことと、保証が国内で受けられないことだ。

ユーザー登録をしないとマニュアル類の電子ファイルやアップデート用のアプリがダウンロードできないようになっている。

平行輸入品は基本的にアメリカからのものが多いので、アメリカのSENAサイトでユーザー登録をすればアップデート用アプリをダウンロードしてアップデートは可能だ。

また、アップデートを行う際に日本語化もできるので、中学1年生レベルの英語ができれば特に問題は無いだろう。

そのあたりについては他のブログで詳しく紹介されているので、確認していただければと思う。

 

3万円クラスの製品であれば故障時のことを考慮して国内正規品が良いと思うが、SMH10は平行輸入品のほうが大幅に安く、故障したら買い替えという運用も考えられるくらいの値段なので悩ましいところだ。

 

 

本体、付属品確認

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ケーブル類は全てベースに取り付けるようになっている。

マイクはコネクタで2つのマイクを入れ替えることが可能。

 

 

 

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ケーブル付きブームマイクは根元の部分を両面テープ等でヘルメットの外側に貼り付けて、ブーム部分を口元に持ってくるようになっている。

一応フルフェイスでも取り付けは可能だけど、どちらかというとジェット向けのマイクだ。

フルフェイスにはケーブルマイクを使ったほうが良い。

型番違いのSMH10-10に付属しているブームマイクはケーブル部分が一切なく、ベースから直接ブームが飛び出している。

 

 

 

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本体は大きなジョグダイヤルと後部のフォンボタンのみ。

ジョグダイヤルは、回す、押す、押したまま回すの3つのアクションが可能。

操作性についてはジョグダイヤルの形状が外側を押さえて回したいのに、傾斜がつきすぎて押さえにくいのでちょっと回しづらい。

動きが渋めなことが拍車をかけている。

上位の20Sや10Sでは平坦になって外側を押さえやすくなり、動きも良いのでだいぶ改善されている。

また出っ張りが大きいので、乗車姿勢やジャケットのパッドの形状等によっては振り向いた時に肩にあたって誤作動することがあるので要注意。

LEDは中央の前方に配置されている。

 

 

 

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後ろの上部にUSBポート(MicroUSB)があり、防水性はゴムのパッキンで確保。

パッキンを閉め忘れると簡単に浸水するので気をつけよう。

10S、20Sも同様のパッキンだが場所が下部に変更となり改善済み。

USBポートはファームのアップデートも兼ねている。

汎用のpinアサインなので100円ショップ等のUSBケーブルが利用可能だ。

 

 

 

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ベースの取り付けは挟み込むクランプと両面テープによる貼り付けタイプの二つ。

クリップ式は鉄製でやたら重いのはSENA共通。

 

 

 

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本体の取り付けは、ベース下部の差込口に本体をあてがって上部をパチンとはまるまで押し込む。

取り付け、取り外しは1秒あれば十分なほど簡単だ。

 

 

 

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ベースの後部に3.5mmステレオミニプラグがあり、有線での外部入力ができる。

ただし、他の機能との併用はほとんどできない。

動作は以下の通り。

 

・有線入力中にインカム通話を開始するとインカム通話のみになる

・有線入力中にHFPの電話などが開始されるとHFP通話のみになる

・有線入力中はA2DPの音楽は聴けない

 

インカム通話と併用できればかなり有用だったのだけど残念。

 

 

 

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クリップベース利用時の重量は153gで20Sや10Sとほぼ同じ。

全体的には最も重い部類に入る。

実際に取り付けると他社より重いのは感じるが、慣れてしまえばこんなものかなと思えるくらいなので、それほど心配はいらない。

 

■SENA SMH10     153g

■SENA 20S       153g

■SB6X         111g

■SB5X         102g

■BT NEXT Pro     111g

■BT X2 Pro、X1 Pro  109g

■GT2          100g

■イージートーク3    84g

 

 

 

10S、20Sとの外見比較

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ジョグダイヤルがかなり大きく出っ張っており、かなり厚みがある。

その点、10Sや20Sはジョグダイヤルのデザインが大幅に変更されており出っ張りが抑えられている。

ベースは外部スピーカー用端子以外は10Sと同じ構造。

感度の差はわからないが、SMH10のベースに10SをつけてFMラジオも聞けることは確認済み。

 

20Sは全く異なり互換性はない。

 

 

 

ヘルメットへの取り付け

 

SHOEI Z-7

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今回はクリップ式を利用して取り付け。

Z-7はネックパッドとシェルとの隙間が小さく、ケーブルがかなり強く折れ曲がってしまう。

前方もしくは後方から回しこんでつけるのだけど、SENAは左スピーカーのケーブルが短く、後方を回しこむことができない。

そこでマイクは前方から、右スピーカーは後方から、左スピーカーは仕方なくネックパッドとシェルの隙間に押し込んで設置した。

強く引っ張らなければ断線することはないと思うけど、ちょっと心配になる。

 

 

 

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配線が決まればシェルとライナーの隙間にクリップ部分を押し込んで、付属の六角レンチで締めこめばOK

 

 

 

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スピーカーは直径が小さいので、窪みにピッタリと収まった。

 

 

 

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マイクはコネクターが少し邪魔で設置に悩んだが、チークパッドの前方に両面テープで貼り付け。

ケーブルはチークパッドの下の方に押し込んで、マイクは口元に取り付け。

 

 

 

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ベースが下に飛び出ているけど、首の抉れている部分に設置すれば置く時に地面に当たらずに済む。

ただ抉れていないタイプのヘルメットが多く、地面に置いた時のバランスが少し悪くなるのはSENAに共通している。

 

 

 

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本体を取り付けるとこのような感じになる。

厚みがかなりあってぼってりしているが、デザインはそんなに悪くはない。

かっこよくもないけど。

 

 

 

操作

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概ねSENA 10S、20Sと同じ操作。

これらを使ったことある人ならすんなりと扱えるだろう。

 

 

全体操作

■電源オン、オフ

ジョグダイヤルとフォンボタンを同時押し

※オンは1秒、オフは一瞬

 

■ボリューム操作

ジョグダイヤルを回す

 

■音声案内音量調整

該当の音声が流れている最中にジョグダイヤルを回す

音声案内の音量設定は音声案内の内容によって異なるので、調整が必要だと思ったら都度調整する

 

■初期化(工場出荷時に戻す)

フォンボタンを12秒押し続けるとLEDが赤に点灯。

ジョグダイヤルを5秒押す。

※ペアリング情報を含めて設定も全て初期化

 

 

インカム関連操作

■インカムペアリング

ジョグダイヤルを5秒長押し

相手も同じくインカムペアリングモードにして、どちらかのインカムのジョグダイヤルを1回押す

 

■ユニバーサルペアリング

ジョグダイヤルを8秒長押し

相手をHFPペアリングモードにしてしばらく放置するとペアリング

 

■インカム発信

ジョグダイヤルを短く押す

1回押すと最後にペアリングした相手、2回連続で押すと最後から2番目にペアリングした相手へ発信する

最大記憶数は3台

 

デバイス関連操作

■デバイスペアリング

フォンボタンを5秒長押し(赤青点滅)

スマホ等をペアリングモードにする

自動的にペアリング完了

 

■音楽の再生、停止

ジョグダイヤルを1秒押す

 

■早送り、巻き戻し

ジョグダイヤルを押した状態で回す

 

 

設定モードへ入って設定

ジョグダイヤルを12秒押し続けると各種設定モードに入り、ジョグダイヤルをまわして希望の設定になったらフォンボタンを押す。

何の設定を選んでいるかは音声案内で確認できる。

設定モードでできることは以下の通り。

 

 

■ペアリングリセット

■ノイズ制御

■サイドトーン

自分のマイクから声を拾ってスピーカーに流す(使いどころ不明)

■音声プロンプト

■VOX(インカム通話)

■VOX(電話)

■スピードダイヤル

 

 

各モードにしてフォンボタンを押すと有効、ジョグダイヤルを押すと無効になる。

基本的にVOXとサイドトーンは無効、他は有効で良い。

詳細についてはマニュアルを参照していただきたい。

 

他社との接続については以下の記事もあわせてご参照ください。

 

HFPで音楽を聴きながらインカム通話ができるか?

B+com SB4Xにはスマホ等と接続して電話(HFP)を受けた状態でインカム通話を開始すると、電話をの内容を接続したインカムに転送するグループ通話withモバイルという機能がある。

これを応用するとスマホのアプリでHFPで強制的に発信させた状態で音楽を流すと、音質は低下するものの音楽を聴きながらインカム通話が可能という裏技があり、実際に走行したところ十分実用レベルであることがわかった。

本件の詳細については以下の記事を参照していただきたい。

 

そして、SMH10にも会議通話という機能があり動作は同じとなっているので試してみた。

試した内容は以下の通り。

 

・スマホにHFP縛りアプリをインストールし動作させる

「BT mono」「BT talk」の二つでテスト

・SENA 10SとペアリングをしておいてSMH10から発信する

 

■結果

残念ながらSMH10では動作してくれなかった。

アプリでHFP縛りにすると音楽もHFPにのって音質の低下した状態で聴けるのだが、インカム通話を発信するとHFPが切断されてインカム通話のみとなってしまう。

試しに実際の電話を受けた状態であれば、仕様どおり電話を含めてインカム通話が可能だ。

どうやらHFP縛りにしてはいるがうまく動作してくれないらしい。

 

スマホ本体の差ではなく、おそらくHFP縛りをするアプリによるものと考えられるので、もっと他のアプリで試してみる価値はあると思うが、調査はここまでとした。

尚、HFP縛りをするには「BT mono」のようなBluetoothで双方向会話をする遊び用のBluetoothトランシーバーアプリがちょうど良い。

どうしてもやってみたい方はいくつかのアプリで試していただきたい。

 

 

 

インカム通話、各デバイスの音質確認

 

スマホとA2DPで接続して音楽を再生

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接続は簡単で、手順どおりに実施すればすぐに音楽を聴けた。

スピーカーがあまり良くなくて、低音から高音まで全体的にいまひとつ。

音質はともかく音量はそこそこ出ているので、高速でも音楽や会話をすることは可能だ。

また実際に走行してみると、他のインカムではほとんど気にならなかった風切り音が明らかに大きく、「ああ、インカムから風切り音が出てるな」とすぐにわかってしまった。

おそらく出っ張りが非常に大きいことと、上下にも大きいので風切り音を発生させる要素が強いのだと思う。

 

 

 

インカム同士の通話

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構成は以下の通りで確認。

20S—SMH10—10S

 

接続方法は20S等と手順が異なり、通話中のインカムに向けて発信するようになっている。

 

例えば上記の接続では最初に20SとSMH10で通話を開始。

※20S、SMH10どちらか発信してもOK

次に10SからSMH10に発信、と言う流れだ。

 

実走はしてないが手元で確認した限りでは、10Sや20S、現行の他社モデルと比較するとノイズリダクションの処理能力が弱く、風切り音等を拾いやすい傾向にある。(扇風機で確認)

ただプチプチというノイズは少なめで安定している。

3台接続で最も負荷の高いブリッジ機にして数十分放置したが、気になるノイズや不安定さはなかったので、実走行でも十分な通話ができそうだ。

 

 

 

SMH10の評価

2010年発売ながら現行モデルともしっかり互換性を確保している点は素晴らしい。

惜しいのはスピーカーが弱いこと、やや重いこと、スペック上の通信距離が短めなこと、10Sや20Sと複数人での接続の順序が異なるため混在した場合にどうするかわかりにくいことの4点。

 

価格は2.2万円程度で、2個パックなら2台で3.6万円と割安な価格設定だが、上位の10Sとの価格差が小さくなり、MidLandのBT X2 Proやデイトナ GT2といった高性能なモデルが同程度の価格になっているので、優位性は下がっている。

 

今更といった感じもあるが、ファームのアップデートが今でも積極的に行われているので安心感は強い

もし周りの人が既にSMH10やSMH5を持っていて、慣れている人が多いのであれば、SMH10を選んでも良いと思う。

 

 

10点満点評価

音楽の音質・・・・・・・・・3

インカム通話音質・・・・・・5

通話距離・・・・・・・・・・未検証

安定性・・・・・・・・・・・未検証

操作性・・・・・・・・・・・5

機能/拡張性・・・・・・・・5

取り付けやすさ・・・・・・・4

重さ・・・・・・・・・・・・3

コストパフォーマンス・・・・3

おすすめ度・・・・・・・3!