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SHOEIのスタンダードフルフェイス Questの後継、RYDが2017年12月に発売された。
RYDと聞くとQuestよりはるか昔にあったRFD2を思い出す。

2000年代前半の発売で2010年にQuestが発売されるまで息の長い製品で、そのRFDシリーズの名前を引き継いだと思われる。

 

SHOEIの公道向け軽量ヘルメットは2014年4月発売のZ-7以来、約4年ぶり。

廉価モデル感が強かったQuestからどう進化したのか気になり購入したのでレビューする。

 

 

RYDの概要

・上位製品向け素材 AIM+帽体を採用

・密閉性もメンテナンス性も良好なCWR-1シールドシステム

・曇りを防ぐPINLOCK EVO lensを標準付属

・巻き込み風を軽減する後付けチンカーテン Dを標準付属

・全ての内装を取り外し可

・シェルをサイズごとに4つに分けフィッティングを強化

・SHOEIの中では帽体は小さめ

・全フルフェイスの中でもトップクラスに軽い

・スピーカー設置の窪み有り

 

・JIS2種

・2017年12月発売

・実売価格 3.4万~4万円

 

 

機能はZ-7とほぼ同じで材質はZ-7より上位のAIM+を採用しており、Qwestより2グレード上げたようなイメージ。

それでは、Z-7と比較しながらチェックしていく。

 

 

外観チェック

特徴的な正面

やはり何といってもこの触覚のようなY字のデザインだ。

RFDからRYDになった事と関連がありそうなこのY字。

全体的なスペックはZ-7に似ているので、デザインで特徴を持たせたのかもしれない。

ベンチレーションは標準的な構成で、額の左右に1つずつと口元1つの合計3つ。

 

 

 

口元は全閉と全開のみで、中間のモードはない。

半開にすると首のほうに抜け、全開にするとシールド方向と首のほうとの両方に抜けるというのが最近の主流だが、RYDは全開にすると全てシールド方向となり、首のほうに抜ける流れはない。

価格的にはミドルクラスに入るのだから、首元に抜けるような作りになっておいてほしかった。

 

 

全体的にZ-7の尖った部分を半分くらい丸くしたような感じ。

これは見た目だけでなくスペック全般でも同様の傾向がある。

SHOEIやOGKなど、2010年頃から空力特性を考慮した帽体はほぼ同じ形をしている。

 

 

 

Z-7の場合抉れてはいるものの、チークパッドが張り出しているので底面は全体が設置する。

若干肩のあたりが抉れているというか、チンガードが下に伸びているので置くと前後の2点で支えているような状態だが、バランスが悪いということはない。

この形状の良い点は振り向いた時等に肩に当たりにくくなっているということだ。

 

 

後ろ

後方のベンチレーションは開閉する仕組みは無く常時開けっ放しとなる。

雨が浸入するようなことはないので常時開けっ放しでも問題は無い。

個人的には後方のベンチレーションは冬でも開けっ放しにしているので、わずかでもコストと重量アップするくらいなら開閉システムは無くても良いと思っている。

 

 

上部

後方のスタビライザーの張り出しもあまり大きくなく、前後の長さも普通。

帽体の大きさはZ-7より一回り大きい。

 

 

底面はチンカーテンに改良の余地あり

底面はZ-7とほぼ同じ形状をしている。

ショウエイは伝統的に口元が広いく、アライのエアロフラップのようなものもないため開放感が強い。

ただしこのままでは巻き込み風が多めで、長時間の高速走行では目が乾きやすくなる。

 

 

 

付属のチンカーテンを装着することで巻き込み風を低減できる。

取り付けはシェルと内装との隙間に差し込むようになっていて、簡単に脱着可能だ。

画像のようにまず先端をあわせて、ぐいぐいと押し込んでいく。

 

 

 

ちゃんとはまればボトムとフラットになる。

出っ張っている場合は押し込みが足りないか、位置がずれているかなのでやり直そう。

 

 

 

Z-7では顎とチンカーテンが密着してしまい息苦しくなるという欠点がある。

RYDはチンガードが少し下に伸びたのでチンカーテンが顎に密着しなくなったかと思ったけど、残念ながらZ-7と同じく顎に密着した状態となった。

もう少しチンカーテンを立体的にして、顎に密着しないようにならないだろうか。

 

 

内装

頬(首周り含む)、頭頂部、ベルト部分の全てが取り外し可能。

RFD2やQuestは固定式だったのと比べると価格が上昇した分、しっかりと内装のグレードもあげてきた。

取り外し可能内装の利点は、外して洗濯しやすいということが真っ先に思い浮かぶ。

しかし最近では頭の形は人によって違うので調整してフィットさせることをメーカーが重視し、店頭で新品購入時に内装サイズを変更したり、専用パーツで隙間を埋めるというフィッティングサービスを展開している。

この流れでローエンドは固定式という今までの図式を改めて取り外し可能内装に変更したものと推測している。

 

素材は吸放湿性能の高い先進素材らしいが、特別かわった感じのしない肌触りだ。

 

 

 

耳にはインカムのスピーカーを取り付けるためのスペースが確保されている。

スポンジカバーが取り付けられており、爪で引っ掛けているだけなので取り外せばスピーカー穴が出てくる。

スピーカーをつけない場合はスポンジカバーをつけておいたほうが多少なりとも防音効果が得られるので付けておこう。

Z-7でもそうだったが、残念ながらこのスピーカー穴が小さく、綺麗にはまるスピーカーが非常に少ない。

もともと耳には余裕があってスピーカー穴にはまらなくても耳に接触することは少ないのだけど、せっかく穴を用意するのであればもう一回り大きくしてスピーカーがはまるようにしておいてもらいたい。

このスピーカー穴は取り付け用の両面テープ/マジックテープをつけるための場所と考えておこう。

 

 

シールドシステムは非常に優れている

Z-7と同じQR-EシールドシステムでシールドはCWR-1を採用。

調整のしやすさ、シールドの着け外し、密閉性、いずれもすばらしい。

Z-7の画像を用いて簡単に取り扱い方法を解説する。

 

①シールド交換がすごく楽
shoei z-7のシールド交換方法
シールドを最大にまで開けて、レバーを後ろへ引っ張ってシールドを浮かせるだけ。

5秒もあればシールドを外せるという簡単設計。

 

 

 

shoei z-7のシールド取り付け手順
取り付けはもっと楽で、○の部分をあわせて上から押すだけでOKだ。

シールドの角度さえわかればこちらも5秒で取り付けが可能。

 

 

 

②ロックをかけた際の密閉性が非常に高い
shoei z-7はシールドの密閉性が高い
この仕組みはよくできている。

ベース部分が前後にスライドするようになっていて、スプリングで後方に押し出す仕組み。

シールドを全閉にした時にシールドが後方へ移動して密閉性を高めるようになっている。

 

ただ今回購入したRYDはシールドの調整が甘く、シールドロックがとんでもなく硬くて自分で調整をしなければならなかった。

出荷時の検査の問題か販売店が触ったのかはわからないが、もう少しきちんと密閉できるようにしておいて欲しいと思う。

調節方法はよく考えられている。

それでもドンピシャの調整はなかなか難しいので、難しければSHOEI プロショップで調整してもらうと良いだろう。

 

 

被り心地は上々

Z-7はMサイズを購入したが、RYDはLサイズだ。

おそらくどちらもサイズ感は一緒。

Z-7購入当時はMサイズが良いと思ったのだが、長時間被ると少し圧迫される部分があったため今回はLサイズにした。

 

重量はLサイズで1464g

Z-7が1385g、Qwestが1447gなので、少し重くなっている。

ただRYDのMサイズはZ-7のMとほぼ同じで1358g(公式)と非常に軽い。

RYDのシェルはXS/S M L XL/XXL の4サイズ。

シェルサイズが上がるたびにかなり重くなっているので、軽量と言えるのはLサイズまでだ。

 

実際に被ってみてもさすがにZ-7のMサイズより重いのは感じ取ることができる。

それでもアライより100g近く軽く、全体で見ても軽量な部類だ。

 

 

 

被り心地は良い。

頭の形は人それぞれなので一概には言えないが、安物はチークパッドが直線的で頬を押しつぶすものがあるけど、適度に立体的でフィットするのでそれなりにお金をかけている印象。

 

 

インカムの取り付け

SHOEI唯一の弱点とも言えるインカムの取り付け。

これだけインカムの装着率が上がってきたのだから、そろそろ取り付けしやすい構造にしてもらいたいものだが、残念ながらRYDもインカムの取り付けはしにくい。

取り付けにくいというだけで取り付けできないわけではないので、そこは安心してほしい。

 

SHOEIはシェルとライナーに隙間が無くクリップタイプのベース取り付けが難しい場合が多く、ケーブルを通すことはほぼ不可能。

スピーカーケーブル長に余裕があるなら前方からまわし、短めものは後方からまわすようになる。

チークパッドのボトム部分にスピーカーを通す用の穴でもあけておいてほしいなと思う。

 

 

SB6Xの取り付け

B+comはスピーカーケーブルが長めで、取り付けようのクリップも細いのでSHOEIのヘルメットにも理想的な取り付けが可能だ。

この隙間にクリップを押し込んで、チークパッドの前方を外してまわしこむと、ぎりぎりスピーカーの窪みまで届く。

 

 

 

直径がやや小さいSB6Xのスピーカーは綺麗に窪みにはまってくれた。

後ろ側にケーブル用のくぼみがあるが、ここまではケーブル長に余裕が無いので前からケーブルを持ってきている。

マイクは口元の適当な場所に両面テープで貼り付け。

 

 

 

こんなにSHOEIのヘルメットにスマートに取り付けられるインカムはSB6Xくらいだろう。

RYDのエアロフォルムに流線型のSB6Xがとてもマッチしている。

 

 

SENA 30kの取り付け

シェルとライナーの隙間が狭いが、ぎりぎりクリップで取り付けができた。

またケーブル長が短いので前方、後方どちらもできず、シェルとライナーの隙間を通すことも出来ず、仕方なくこのようにした。

着脱のときにケーブルが指に引っかかることがあるので少し気を遣う必要がある。

SENAのケーブル長が短いことが原因なのでRYDが悪いというわけではないが、チークパッドに配線用の穴をあけておく等、メーカーにはインカム設置のための工夫をしてもらいたい。

 

 

 

スピーカーは微妙にサイズがあわず窪みにははまらないが、両面テープやマジックテープを設置する場所と考えれば良いだろう。

 

 

 

マイクはチークパッドの口元に設置。

口の前に余裕があるので両面テープを使って前方に貼り付けても良い。

 

 

 

SENAはクレードルが下に伸びていて、ボトムより張り出してしまうのだが、RYDは顎の下が伸びて肩の部分が抉れた形状となっているため、地面に置くとちょうどクレードルのボトムと前と後ろの3点で支える形となっており、インカムを取り付けることで安定性が高くなっている。

 

 

 

30kとの組み合わせも良い感じだ。

Yの触角デザインは特徴的だが、ヘルメット全体の造形はオーソドックスな適度な流線型をしているので、インカムとマッチしやすいのだろう。

 

インカムについては以下の記事も参照していただきたい。

 

走行してみての評価

チンガードをつけた状態でテスト走行をした。

全体的に結果は良好で、Z-7からの進化している部分もある。

そして何より見た目のインパクトが強く、Yのデザインが触角のような感じで仮面ライダーになった気分だ。

 

 

静音性はかなり高い

基本的にはZ-7に近い。

風きり音の発生源はほぼ同じ。

ただ一点違うのは、口元のベンチレーションを開けると風きり音が大きかったZ-7に比べると、RYDの口元ベンチレーションはほとんど風きり音を発生させない。

遮音性も良く、軋み音もしないので全体的に静かだ。

静音性に関してはZ-7をわずかに上回っている。

 

 

そこそこ軽くて被り心地がよく疲れにくい

Z-7より重いけど十分軽い部類だし、走行していても疲れにくい。

特に後方確認で振り向いたりした瞬間はこの軽さの恩恵を受けることができる。

空力性能は日本の公道で常識的な速度で走る限りは、特別にすごいと実感はできなかった。

 

 

ベンチレーションは普通

頭部のベンチレーションはいたって普通。

Z-7やエアロブレード5との差を感じることはできなかった。

口元のベンチレーションは全てがシールド方面に抜けるので、顔面は涼しいけど口元だけを換気したいと思ってもできない。

チンガードを取り付けているおかげで巻き込み風は非常に少ないが、チンガードと顎が密着しているため口元がこもりやすい上に、口元のベンチレーションがシールド方向にしか抜けないので、低速時はシールドを少しあけて積極的に換気した。

不快に思うほどではないけど少し気になるかな?という感じだ。

 

 

RYDの評価 堅実なスタンダード製品

Qwestより価格が上がりZ-7に近い価格となってしまったのでどうなるのかと思っていたが、価格上昇に見合うだけの品質と性能は持っており、完全にミドルクラスとなっている。

特に口元のベンチレーションの風きり音がほぼ無くなったことはZ-7の弱点を克服しており、他のスペックはしっかり標準レベル。

ツーリングのように丸一日使うならそこそこに軽くて風きり音が少なく疲労しにくいし、街乗りでも特にこれといって不満はない。

SHOEIという挑戦的な姿勢の会社の中にあって、何かに特化しないスタンダードなシリーズという立ち居地は変わってないようだ。

 

まだ発売して間もないため価格が高止まりしており、上位のZ-7との金額差が3000円程度しかない。

Z-7の定価は税抜き45000円、RYDは38000円なので価格がこなれてくれば税込み30000円程度で入手できるようになれば違ってくるだろう。

部分的にZ-7より良い点はあるものの軽量な点を考慮するとZ-7を選びたい。

またOGKのエアロブレード5という強力なライバルが2万円台後半にいるため、RYDを選ぶか悩ましいところ。

 

総合的には良い製品なのだが、Z-7とエアロブレード5という近年まれに見る良い製品に挟まれているので、他製品ともよく吟味して選びたい。

見た目のインパクトが強く、人と違うヘルメットを選びたい人には断然RYDがおすすめ!

 

個人的 10点満点評価

軽さ・・・・・・・・・・・8

大きさ・・・・・・・・・・5

静音性・・・・・・・・・・7

涼しさ・・・・・・・・・・5

被り心地・・・・・・・・・8

空力性能・・・・・・・・・7

品質・・・・・・・・・・・8

インカムの取付やすさ・・・4

機能性・・・・・・・・・・5

ツーリング評価・・・・・8!

街乗り評価・・・・・・・7!

コストパフォーマンス・・・5

総合評価・・・・・・・・8!