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過度の期待は禁物だけど高速では効果大!バイク用耳栓のレビュー
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バイク用に特定の音域をカットする高機能耳栓の主要な製品を買い集めたので、実際に使ってみてどうかレビューする。

 

近年、音響性外傷が注目されており、バイクも高速道路を何時間も走行すると耳にダメージを与えるという認識が広まりつつある。バイクとはそういうものだと思って気にしないようにしてきたが、まじめに自分の体のことを考えて耳栓を使ってみることにしたので、参考にしていただきたい。

 

耳が悪くなるととても不便!

これはイソバイドという内耳のリンパ液排出を促すための薬。僕が年に何回かお世話になるとても苦い薬だ。

 

音響外傷とは極当たり前のこととして認識されていることで、大きな音を長時間聞き続けると内耳が傷つくというもの。一時的に聞えが悪くなったり耳鳴りがするようになるが、慢性化すると固定されて直らない場合もある。

 

バイクが原因かはわからないが、30歳を過ぎた頃から眩暈や低音性難聴を年に1~2回、2~3週間くらい発症する。眩暈は嘔吐を伴うけど数時間で改善するのでまだ良いが、難聴は2週間くらい続くし、自分の声が頭に響いて脳震盪のような状態になるので日常生活に与える影響は大きい。

 

小さいころから騒音の大きい場所では人の声が聞き分けられず、騒音が頭の中を響いて思考力が低下するのでカラオケや居酒屋が苦手だった。それに加えて突発性の眩暈や難聴に襲われるのだから、耳をいたわらないといけないなと強く思うようになってきたので、バイク用耳栓を試すにいたった。

 

ちなみに10年くらい前から寝る時には必ず耳栓をつけている耳栓ヘビーユーザーだ。何種類も試して最終的に遮音性は低めだが付け心地がソフトな3Mイージーフィットを愛用している。

 

バイク用耳栓と普通の耳栓との違いは?

普通の耳栓はただのスポンジのような素材でできており、特定の音域のみを低減させるような機能はないものが多い。素材によって多少の違いはあれど、せいぜい高音、低音のどちらを重点的に遮音するかという程度。

 

そこでシリコン製イヤーピースに特定の音域をカットする特殊なフィルターを内蔵し、バイクの風切り音やエンジンノイズ等を低減する機能を持たせたのがバイク用耳栓。この高機能フィルターはバイク用だけでなく、スポーツ観戦用やライブハウス用など様々な音域に対応した製品があって近年急速に広まってきている。

 

フィルターは特殊な金属なので電力は必要とせず、効果も半永久的。水洗いも可能でゴムの部分が劣化などで破損したり紛失しなければバイクを降りるまで使い続けられるだろう。

 

価格はいずれも2000円前後で耳栓にしては高いがほとんど劣化しないので、紛失さえしなければ費用対効果は高い。

 

 

 

これはデイトナのAK-344のスペック。バイクで発生するノイズの音域を集中的にフィルターするというものだ。その効果はいかに?

 

製品レビュー

レビューするのは3製品。

 

左ふたつがCRESCENDOブランド(オランダ Dynamic Ear Company 社製)。イヤーピースが2サイズあり、フィルターを入れ替えることで耳の大きさにあわせられる製品。左が小さめ、右が大きめ。

 

真ん中がコミネブランドで、右がPLOT社が輸入代理店となっているNoNoise(ノーノイズ)社の製品。いずれもバイク用のフィルターを搭載している。

 

それではそれぞれの製品を見ていこう。なお、僕の耳の穴は左が普通の大きさで、右は女性並みに小さいので両方でテストした。

 

実際に走ってみる(全製品共通レビュー)

製品個別レビューの前に、製品によって多少の差異はあるもののほとんど聞き分けがつかないくらいなので耳栓としての効果について3製品共通なのでまとめて評価する。

※画像は実際に使った時ではないのでイメージです。

 

遮音性能はバイク用に調整されているが過度な期待は禁物

普通の耳栓での走行は明らかに危険なので自宅でヘッドフォンをして比較した。

 

普通の耳栓は全音域を80%低減するのに対し、バイク用耳栓は風切り音(高音)は60%低減、その他の音(声や音楽)は40%低減といったところ。製品によっては「特定音域だけを低減して会話はそのまま通す」という表記をしているがこの表現は誇張しすぎだ。

 

普通の耳栓に比べたらある程度調整はされているが、全体的に遮音されるものと認識しよう。

 

市街地は危険なレベル 絶対に使わないこと!

一般道くらいの速度では他車を音で聞き分けて接近していること認識しているため、他車のロードノイズやエンジン音が聞き取りにくくなりかなり危険と感じた。いつもと同じ感覚で運転すると、いつの間にか隣後ろに車がいてぎょっとする事が多発するので、音を頼りにしてはいけない。

 

市街地はもちろん郊外や山道等も含め、一般道では使うべきではないだろう。カットされる風切り音ももともと大きくないのでメリットが少なくデメリットばかり。

 

さらにインカムで音楽でも聞くと他車は音でほとんど認識できなくなるため、危険極まりない。製品によるけど公道で使える!のような表記は正しいのだが、一般道での使用は控えるよう記載しておいてほしいレベルだ。

 

高速走行ではとても快適

市街地と違って高速ではもともと風切り音によって他車をほとんど聞き分けられないので、目視で確認する運転をしているはずだ。耳栓を使って他車の音がほとんど聞えなくなっても問題はなく、それより凄まじい風切り音が大幅にカットされることで疲労が軽減される。特に長時間高速を走る時は徐々に疲労が蓄積されるのが軽減されるだけで効果絶大だ。

 

耳の保護しつつ披露を軽減できるので積極的に使いたい。

 

インカムの声や音楽は問題なく聞ける

一般的にインカムの最大音量はかなり大きいので、耳栓で半分くらいがカットされてもインカムの音量を上げておけば十分聞くことが可能だ。会話、音楽ともに高音が少しカットされてマイルドになるものの違和感はなかった。

 

ただ、耳栓でカットされた上にインカムの音量を上げているので、周辺の環境音は全く聞えないレベルになっている。高速ではありだが下道で音楽を聞くのは自殺行為だろう。

 

バイクを降りたら外さないといけないが紛失しやすい

もう何度も書いているけど、会話を完全に通すわけではなく相当カットされてしまうので、バイクを降りてそのままでも会話ができる なんて事はない。よほど耳が良いか大声で話す相手でもない限り聞き取りは難しい。

 

着脱は簡単なので必要な時だけ着ければ良いのだが、問題は耳栓が小さくコロコロ転がるので紛失しやすいことだ。そろいもそろって付属のケースは使いにくいので、100円ショップ等で使い勝手の良さそうなものを用意したほうが良いだろう。

 

NoNoise NN004(2200円)

おそらく高機能耳栓では最も有名なメーカーNoNoise社のバイク用耳栓。

 

 

 

イヤーピースはやや厚手のシリコン製で少し硬め。内部の奥深くに小型のフィルターが埋め込まれており、中央の飛び出した部分を摘むことで着脱しやすくなっている。

 

 

 

中央の出っ張りが邪魔になるかと思ったが、ヘルメットを被ってもあまり気にならない。それより他製品は中央の先端にフィルターがついているため、着脱の際に爪がフィルターに触れてゴソゴソと大きな音がしてしまい不快感がある。NN004はフィルターが内部に隠れており、周囲は全てシリコンで覆われているためそういった不快な音が発生しない点が良い。

 

サイズは普通で極一般的な耳栓同等で、左耳(普通の大きさ)にとってはちょうど良く、右耳(小さい)には少し大きいが1時間つけていても痛くなるようなことはなかったので、これひとつでほとんど人は大丈夫だろう。

 

フィルターはかなり先端に設置されており出っ張りのほとんどがシリコンなので、気になる場合は切断しても問題はないだろう。

 

CRESCENDO Moto(2300円)

大小2種類のイヤーパッドが付属し、フィルターを付け替えることで耳のサイズにあわせられるようになった製品。

※イヤーパッドをひとつ紛失したため3つですが、大小2つずつ付属しています。

 

 

 

イヤーパッドは普通サイズと小さめの2種類でサイズ的には少し小さめと少し大きめ。

 

 

 

フィルターはとても小さくプラスチックで覆われている。着け外しは簡単で、イヤーパッドをぐいっと引っ張ればフィルターがとれる。入れ替えの時に無くさないように注意しよう。

 

 

 

着脱の際にフィルターに爪が触れるとフィルターを通して大きな音が鼓膜に響くのと、耳栓を取り外す時にぺらっぺらのシリコン部分が引っ張りにくいのが欠点。それを除けばサイズ調整が可能なことや出っ張りが少ない分、ヘルメットの着脱時に邪魔になることはない。

 

左耳(普通の大きさ)には大きいイヤーピース、右耳(小さい)には小さいイヤーピースにするとバランスが良かったが、両耳とも小さいイヤーピースにしても十分使えた。標準よりわずかに小さめ、大きめなのでほぼ全ての人がどちらかでフィットするだろう。

 

コミネ AK-344(1800円)

海外製品と思われるが製造元は不明。

 

 

 

フィルターの取り外しはできず1サイズのみ。イヤーピースは薄くて柔らかいので、イヤーピースの大きさのわりには小さい耳にもフィットする。

 

 

 

フィルターが中央の外側に取り付けられており大きく長い。取り付けの際にフィルターを触ると大きな音が鼓膜に響くし、ヘルメットの着脱時に大きなフィルターと内装が触れて邪魔にもなる。バイク用であることを考えるとこの形状は適しているとは言いがたい。

 

左耳(普通の大きさ)右耳(小さめ)、どちらも問題ない大きさ。慣れれば装着時に痛みを感じることはないが、フィルターが多き割りにイヤーピースが薄いのでちょっと押し込むとすぐにフィルターが皮膚に当たってしまう。

 

装着感は全体的に良くない。

 

おすすめはNoNoise社製品!

実物を触るまでは中央の突起が大きいことが気になると思うが、さわってみればそれも杞憂に終わるだろう。女性の中でも極端に耳の穴が小さい場合は痛みがあるかもしれないが、ほとんどの人は大丈夫。

 

効果としては高速限定で使えるものであり、一般道では危険なので使ってはいけないと思う。それにメーカーのうたい文句は過剰で、普通の耳栓よりはカットされる音域が調整されているが声や音楽はそのままなんてことはない。真に受けると落胆するので、そんな夢のような製品ではないと考えてほしい。

 

それでも高速での耳の保護は重要で、長時間高速を走るなら疲労軽減にも大いに役立つので、1つは持っておいて良いだろう。

 

快適なツーリングを実現するならインカムも検討してみてください。

 

風切り音を軽減するなら静かなヘルメットへの買い替えも検討してみよう。