1万円前後で圧倒的な性能とコスパを誇るデイトナ イージートーク3と台湾製 M1-Sを比較します。それぞれ全く違う方向ですごい機能を持っていますが、値段が近いので迷う人も多いと思います。比べれば向き不向きがはっきりしているので検討してみてください。
なお、M1-Sは国内メーカーのX-RIDEへ同等製品(型番:S-1)がOEM供給されていますが、2019年6月現在、販売されていないのでOEM元のM1-Sを基準に比較します。
目次
スペック比較
EasyTalk3 | M1-S | |
---|---|---|
メーカー | デイトナ | DIMTON |
自動経路制御 | × | × |
同時通話 | 2 | 6 |
通話距離 | 200m | 500m |
待受時間 | – | 360h |
通話時間 | 12h | 10h |
充電中の使用 | ○ ※1 | ○ |
Blutooth | 4.0 | 4.1 |
ノイズ除去 | ○ | ○ |
通話と音楽併用 | ○ | △ ※8 |
全体音楽共有 | × | △ ※8 |
タンデム音楽共有 | × | × |
ペアリング記憶数 | 3 | 2 |
自動グループ通話 | – | × |
他社接続 | ○ | ◎ |
A2DP 2台同時 | 自動切換 | × |
FMラジオ | × | × |
自動音量調整 | × | × |
有線入力 | × | ○ |
社外スピーカー | × | × |
充電ポート | mini B | micro ※6 |
音声案内 | 日本語 | 日本語 |
音声操作 | × | × |
防水性能 | ○ | ○IPX5 |
スマホアプリ | × | × |
発売時期 | 2015年8月 | 2017年4月 |
実売価格 | 1.3万円 | 1万円 |
※1 オプションの変換ケーブルが必要
※6 奥まっているため汎用品は要加工
※8 仕様外で可能 HFPのみのため音質は低下 ブリッジ中は併用不可
有意義な差がある部分で有利な方に赤のアンダーライン、両方にあって重要な機能に黄色のアンダーラインをひきました。
それではスペックからわかる違いを解説します。
最大接続台数はM1-Sだが
スペック上はM1-Sは6台となっていますが、実際のところは最大で4、できれば3台までとした方が良いです。4台目からの接続手順がとても複雑で、実用的なものではありません。3台であれば簡単に接続できます。
イージートーク3は逆でスペック上は2台ですが、裏コマンドでイージートーク3かGT2に限定して4台まで接続ができます。ただ、必要最低限の通話距離しか無いので1対1なら速度調整をして離れないようにすることができても、3台になるとかなり厳しいですね。
3台で接続をしたいならM1-Sを強くおすすめします。
音楽併用機能はイージートーク3
イージートーク3は高音質なA2DPとインカム通話の併用をサポートしています。注意点としては裏ワザで3台接続をした場合、ブリッジ機(真ん中)は音楽併用ができません。
M1-Sは次で紹介する低音質でいいなら可能です。もしくは有線入力なら音楽の併用ができます。
無線で高音質にしたいならイージートーク3、有線か低音質かつ全体に共有されても良いならM1-Sでもかまいません。
全体音楽共有機能はM1-Sのみ
M1-Sはインカム通話に低音質なHFPで受信したナビ音声を乗せて他のメンバーへ転送する機能をサポートしていますが、最近のナビアプリ等はほぼ全て高音質なA2DPなので普通にすると転送できません。そこでAndroidならアプリ(BTmono)を使えばHFP化することができるので、何でも転送が可能です。ただ、音楽はかなり音質が低下するのでナビ音声のみと考えておきましょう。
なお、ブリッジ機ではできないので端っこのインカムでHFP併用をする必要があります。
この全体音楽共有機能はとても便利で、ナビ音声を共有すると先導役の負担が軽減されるし、全員がルートを認識して走行ルートの会話に参加できるので、積極的に使いたいです。僕が重要視する機能の一つです。
他社接続性能はM1-Sが圧倒
M1-S最大の武器がこれです。SB6X同等以上の他社接続性能で全機種No1です。
他社接続は A社(ユニバーサル)—(HFP)B社 というように接続をし、ユニバーサル側のインカムはさらに自社接続が可能な機種と不可能な機種がありますが、HFP側のインカムはこれ以外の接続が一切できないのが普通です。ところがM1-SとSB6XはHFPになってもさらに自由にもう一台インカムを接続できます。
自社接続、ユニバーサル、HFP、どの組み合わせでもいいから2台は自由に接続していいよ。という特異な機種です。例えば、 A社(ユニ)—(HFP)M1-S(ユニ)—(HFP)B社 こんな接続ができます。
イージートーク3はユニバーサルで1台接続(裏ワザのブリッジ不可)するか、HFP側になればそれのみというごく普通の仕様です。
実際に使ってみての評価
EasyTalk3 | M1-S | |
---|---|---|
音楽音質 | 8 | 7 |
通話音質 | 5 | 6 |
通話距離 | 3 | 未検証 |
安定性 | 8 | 未検証 |
他社接続柔軟性 | 4 | 10 |
操作性 | 4 | 7 |
機能/拡張性 | 5 | 6 |
取り付け | 8 | 7 |
重さ | 10 | 10 |
コスパ | 8 | 10 |
おすすめ度 | 8! | 9! |
※評価は10点満点です。
※M1-Sは実際に走行できていませんが、自宅周りで歩いて確認しています。
音楽の音質はイージートーク3
どちらも癖のない普通の音質で、高級製品にひけをとりません。最大音量も十分で高速でも問題ありません。
M1-Sは少しホワイトノイズが多いので、僕はあまり気になりませんが停止時等は気づく時があります。また、イージートーク3のほうが少し低音の迫力があるので、少しでも音質をあげたいならイージートーク3のほうがいいでしょう。
通話音質、通話距離はM1-S
M1-Sの通話距離は500mですが、自宅周りで徒歩で確認する限りではそこそこの通話距離があります。おそらく郊外で300m、市街地で150m程度と、他社のミドルクラス一歩手前くらいの通話距離はありそうです。これくらいあれば3台接続しても速度調整で切断されないように維持できるのではないかと思います。通話音質も無難で聞き取りやすいです。
イージートーク3は200mと必要最低限です。間に車が1台入ると50mくらいでノイズがかなり入って通話が困難になりますが、ノイズが増えたら声をかけて調整をするという感じで走れば大丈夫です。また高速でも通話はできます。通話音質はやや低く、人の声が割れ気味なのが欠点です。
どちらも通話距離は短めですが、少し余裕があって通話音質も無難なM1-Sのほうが使い勝手はいいでしょう。
安定性はイージートーク3
イージートーク3は動作が安定しており、おかしな動作はほとんどなくノイズの増減などがあまりありませんが、これは1対1接続という簡単な状況なので動作不安定に陥らないのは当然と言えば当然ですね。裏ワザは置いておくとして、サポートする範囲では性能に余裕を持たせているということでしょう。
M1-Sは手元で確認する限りでは特に不可解な動作をすることはありません。3台接続時は少し接続に失敗したり、ノイズの増減が多かったりしますが許容範囲です。3台しか持っていないのでそれ以上試していませんが、4台は厳しそうな感じがします。
接続台数が異なるので単純に比べることはできませんが、サポートする機能をどれだけ安定して使えるか?の観点でいえば、控えめな仕様に留めているイージートーク3のほうが上です。
操作性はM1-S
イージートーク3はボタンが硬く配置も悪く、長押し操作の入力タイミングもわかりずらいので操作性は良くありません。慣れればそんなものかと思いますが、デイトナの製品全般的に同じ傾向なのは残念です。各操作をほぼ全て音声で案内してくれるのでその点が救いですね。
M1-Sはボタンが押しやすく、動作も軽快でサクサクと操作できます。操作方法もわかりにくいものはありません。音声案内がほとんどありませんが、難しいものがないので特に問題ないでしょう。走行中に操作する機会が多い場合はM1-Sをおすすめします。
機能性はM1-S
高音質なA2DPの音楽併用ができない点を除けば、M1-Sの多機能っぷりはなかなかなものです。有線入力(通話と併用可)、ナビ音声の全体共有がとても便利で僕としてはとても高く評価しています。
イージートーク3も音楽併用が可能な点はすごいのですが、ナビ音声の共有ができるM1-Sをおすすめします。
重量は互角
イージートーク3が84g、M1-Sが68gとどちらも超軽量級です。インカム全体の平均は110gで、最も重いSENA 20Sで153gであることを考えれば、両機種ともずば抜けて軽いことがわかります。
16gの差については手に持てば違いはわかりますが、ヘルメットに装着すると感じ取ることはできませんでした。30g違うと感じ取れるくらいのイメージですので、どちらでも良いでしょう。
コスパはM1-S
イージートーク3は1.3万円、M1-Sは1万円くらい。この価格でどちらも音楽併用機能を備えておりすごいのですが、特にM1-Sは驚異的です。3台接続、音楽共有、柔軟な他社接続、それなりの通話距離、2倍の価格でもおかしくないくらいです。
おすすめはM1-S
2万円以下で選ぶなら特殊な事情がなければこの2台から選べば間違いはありません。低価格帯で圧倒的存在の両機種ですが、どちらかと言えばM1-Sをおすすめします。
理由は通話距離、他社接続性能、ナビ音声共有です。イージートーク3の通話距離はかなり短いのでそれに比べたらマシという程度ですが、やっぱりこれくらいは欲しいなと思います。他社接続性能の高さは全機種No1ですし、ナビ音声共有もめちゃくちゃ便利です。
ただ、タンデムならイージートーク3がおすすめです。通話距離は関係ないですし、同じ音楽を聴くなら2台接続が可能なBluetoothトランスミッターを使えば可能です。そうなると通話音質と操作性が劣ること以外はM1-Sを上回ります。
イージートーク3がおすすめな人
- 主にタンデムで利用する
- 高音質A2DPで音楽併用をしたい
- 国内メーカーサポートを受けたい
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M1-Sがおすすめな人
- 周りがいろんなメーカーのものを持っている(他社接続性能)
- ナビ音声を共有したい
- 音楽併用は有線か低音質HFP(Android限定)でも良い
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インカムの総合記事はこちらです。主要製品を比較、レビューしています。 [card url=https://bikede-go.com/blog-entry-166.html]
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